はじめに
銃を所持するときに必ず考えなければならないのが「保管方法」です。
日本では法律で厳しく定められており、基本的には鉄砲および実包(弾)は自身の管理下に置く=自宅保管する必要があります。しかし、鉄砲保管に関する法的な問題(同居親族の精神疾患等)や、賃貸住居の制約(ロッカー設置に伴う穴あけ作業や銃器・火薬類の保管不可の物件規約など)によって銃器の所持ができないケースがあります。そうした場合は、都道府県公安委員会から許可を受けた銃砲店または倉庫業者に委託保管をしなければなりません。
本記事では、この2つの保管方法それぞれのメリット・デメリットを整理し、私自身の実体験も交えて解説します。
鉄砲の自宅保管とは?

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自宅保管の仕組み
- ガンロッカーと装弾ロッカーを自宅に設置
- 銃と弾薬を分けて保管する義務がある
自宅保管のメリット
- 狩猟・射撃に行くときすぐ持ち出せる
- 好きな時に自宅練習(捉銃練習など)ができる
- 委託料が不要でランニングコストがかからない
- 自分の管理下で保管でき、安心感がある
自宅保管のデメリット
- ロッカー購入費用(数万円〜)が必要
- 設置スペースの確保と設置に工夫が必要
- 賃貸であれば、管理会社に保管庫設置の承諾を得る必要がある
- ガンロッカー や装弾ロッカーを置く場合は、警察による確認作業がある
- 家族がいる場合は 鍵管理や安全性確保 が必須
- 長期で外出する際は委託保管する場合も
鉄砲の委託保管とは?
委託保管の仕組み
- 銃砲店や射撃場に銃を預け、必要なときに引き出す方法
- 弾薬も一緒に預けることもある
委託保管のメリット
- 自宅に銃を置かないので 家族の安心感が大きい
- 盗難や火災などリスクがほぼゼロ
- ロッカーを買う必要がなく 初期費用を抑えられる
- 所持許可証の申請時、更新時に警察による確認作業がない
- 元々預けているので、外泊や長期外出も気軽に出来る
- 射撃場の場合、射撃に行くとき鉄砲や弾は現地で受け取るので運搬の手間がない
- 鉄砲店の場合、預けるタイミングで修理やメンテナンスを頼めるので便利
委託保管のデメリット
- 銃を使いたいときに すぐに取り出せない(=実銃を使った自宅練習が制限される)
- 狩猟や射撃のたびに鉄砲を引き取りに行く必要がある
- 委託料が発生する(月1,000〜10,000円※委託先による)
体験談
賃貸で実包を自宅保管するためには
私は賃貸アパートに住んでいるため、銃は銃砲店に委託保管しています。もともと賃貸契約書の禁止事項に「銃器や火薬類(実包)の保管」が該当していたので、どちらも自宅保管は難しいだろうと考えていました。しかし、最寄りの銃砲店では銃の保管はできても実包の保管はできないと言われたので、自宅で実包を保管できなければ、射撃や狩猟の度に実包を購入し、余りが出れば廃棄することになります。廃棄するにもコストがかかるのでかなり非効率です。そこで、実包だけでも自宅で保管できるように、実包保管の必要性や安全管理についての書面を作成し、管理会社に提出、説得したことで実包の自宅保管の許可を得ることができました。地域で鳥獣被害が多いなどの理由で管理人(管理会社)が狩猟に理解のある場合などを除いて、ほとんどの賃貸住居では銃器や火薬類の保管が禁止されていると思うので、こうした対策が必要になります。
実際に銃を委託保管して感じること
射撃や狩猟の度に銃を取りに行くのは非常に面倒です。私の場合は、預けている銃砲店が比較的近いので、そこまで手間がかかるわけではありませんが、距離があるときついです。射撃や狩猟に行くモチベーションも下がります。また、実銃を使った自宅練習がいつでも好きな時にできるわけではないので、技術向上に取り組む場合には圧倒的に自宅保管が有利です。そのため、私はいつでも自宅練習できるように、実銃を模した模造銃を作成しました(作り方は、下の関連記事で解説しています)。
委託保管をして良かったところは、なにより自宅に銃器を置いていない安心感です。家族がいても、外泊していても、そもそも家に銃器を置いていないので、盗難や事故が起きるリスクがほぼありません。この安心感はとても大きいです。また、銃を使う度に鉄砲店に顔を出すことになりますから、鉄砲店との関係性の構築という意味では良いかもしれません。有害駆除隊に加入して年中狩猟を行うなど、銃の使用頻度が多くならない限りは、私は委託保管を続けようと思っています。
まとめ
- 自宅保管 → 利便性は高いが、安全管理の面で心配
- 委託保管 → 安全管理、家族の安心感という面では大きいが、利便性は低い
👉 狩猟や射撃をどれくらいの頻度で行うか、家族の理解を得られるかを基準に、自分に合った保管方法を選ぶことが大切です。

